風俗営業許可を申請する際にキャバクラやスナック、ホストクラブ等の店舗運営を行う管理者を配置しなければなりません。
所轄警察署も申請者と同じくらいに管理者については重要視しています。
風俗営業者は、その営業所であるキャバクラやスナック等に専任として営業所における業務の実施を統括管理する者として管理者1人を選任することになっています。この「統括管理する者」とは、営業所全体をまとめて管理することを指していて、一般的にはキャバクラの店長や支配人、スナックのママさん等がこれに該当します。
なお、お店のオーナー自身が営業所の統括管理をする場合は、自分を管理者として選任すれば足ります。
選任した管理者が退店してしまった場合は、その日から14日以内に、新たな管理者を選任して届け出なければなりません。
風俗営業が許可されますと、営業者が選任した管理者が、欠格事項に該当しないと認められたときは、公安委員会から「風俗営業管理者証」が交付されます。
その管理者を交代させるには風俗営業許可の変更届出書を提出することになります。
目次
【風営法】キャバクラやスナックの管理者変更や交代
キャバクラやスナックの管理者について変更事項が発生した際には速やかに所轄警察署へ風俗営業許可の変更届出書を作成して提出します。
管理者の住所が変わった場合
管理者が自宅を引っ越して住所が変わった場合では、新しい住所地の住民票(本籍地記載)原本を用意します。
管理者を別の者と交代する場合
管理者が退店したり他店舗へ異動する等の理由で他の人物と交代する場合は、旧管理者が異動・退店した日から14日以内に新管理者を専任し、それから10日以内に変更届出書を提出します。
管理者の交代について必要な書類は次のとおりです。
- 変更届出書(第21条、第22条)【別記様式第12号】
- 新管理者の住民票の写し(本籍又は国籍等が記載されているもの)
- 新管理者の市区町村長の発行する身分証明書(身分に関する証明)
- 新管理者の「成年被後見人」及び「被保佐人」の登記されてないことの証明書
- 新管理者の誓約書、人的欠格事項に該当しないことを誓約する書面等
- 新管理者の顔写真2枚(3cm×2.4cm 6ヶ月以内に撮影したもの)
風俗営業許可における管理者の業務
管理者の変更や交代について所轄警察署や公安委員会が変更届出書の提出を求めているのは、その管理者の業務が風俗営業においてとても重要だと考えているからです。
風俗営業許可において管理者は、営業所における業務の実施を統括管理しその業務が適正に行われるようにしなければなりません。営業所で不適正な業務が行われている場合には、自己の責任において直ちに是正しなければなりません。不適正な状態のままで風俗営業を続けていれば、営業停止や営業許可の取り消し、および罰金などの行政処分を受けることになります。したがって、営業者自身のみならず、管理者自身の業務の適正化への努力が不可欠です。
風俗営業許可における管理者の業務内容
管理者は、営業所の責任者として、風俗営業者に対して法令の規定を遵守してその業務を実施するために必要な助言又は指導を行うことのほか、業務の適正な実施を確保するため必要な業務で施行規則で定める以下のものを行わなければなりません。
- 営業者(オーナー)に対する助言
- 店舗従業者に対する指導
- 構造・設備等の点検と維持
- 年少者立ち入り時の措置
- 従業者名簿の備え付けと管理
- 接待従業者の生年月日等の確認記録の保存
- 苦情の処理
- 委託業務に係る点検の実施及び記録の記載管理
- 風俗営業からの暴力団の排除
風俗営業店の管理者の住所地
管理者の業務内容は多岐にわたっており、お店に付きっきりで張り付いていないとなりません。管理者自身が休日だったとしてもお店で何かトラブルがあればすぐに駆けつける必要があります。
所轄警察署も管理者の住所地があまりにも遠いと「お店までどうやって通勤してるんですか?」と聞いてくることもあります。
配置する管理者の住所地は店舗へ通勤可能なエリアであることが望ましいです。